人と動物との関係は年々変化し続けています。

動物病院に来る動物たちも、ご家族の中での位置付けの変化に伴い、一方向的な「ペット」や「愛玩動物」としての関係から、「伴侶動物」あるいは「家庭動物」など、家族の一員として双方向の関係を結ぶ対象としての存在が強く感じられるようになってきています。
人も本来自然界に生きる動物たちの一員ですので、自然を感じられるものに癒され、共に生きたいと願うことはごく自然なことであると思います。種の異なる動物同士が一つの生活環境を共にし暮らしていく事の難しさは前提として避けられないものですが、動物との生活はこれを補って余りある喜びを我々に提供してくれます。

このようにかけがえのない存在である動物達ですが、彼らのほとんどは私たち人より短命です。
共に過ごせる限りある時間を、大切に寄り添って過ごして欲しいと願います。

ご家族の皆さまが動物病院で過ごす時間も、紛れもなく動物たちと過ごす尊い時間です。
動物たちとご家族にとって、動物病院は決して楽しい場所ではないかもしれませんが、同時にお互いの存在を強く感じ、絆を深められる場所でもあります。
獣医療を通して人と動物の架け橋となり、彼等と共に過ごす時間をより深く豊かなものにできるのであれば、小動物臨床に携わる者としてこれ以上の喜びはありません。

獣医師 田代 修

インフォームドコンセントの徹底

根拠に基づいた治療内容を基に、ご家族が動物とどう向き合いたいかを大切に治療方針を組み立て、その内容を説明させていただきます。

ご家族の生活を重視

動物病院は動物の治療を行う場所ですが、院内での治療は治療全体の一部にすぎず、しっかりと治療を進めていく上ではご家族の協力は欠かせません。 治療をうまく進めていくために、治療に取り組む過程や治療後のご家族の生活の質を維持するためのサポートを重視しています。

緊急、重症例への対応

大学病院のない沖縄でも安心して動物と暮らせるよう、国内での標準的な治療を提供するための設備、教育に力を入れています。

エキゾチックアニマル診療

犬や猫以外にもうさぎやハムスター、フェレット、ハリネズミ、モモンガや爬虫類等様々な動物種が家庭内で生活を共にするようになってきています。これらの動物たちも犬や猫同様に家族として安心して暮らせるように診療体制を整えております。

待合室

病院で過ごす時間も、動物たちと過ごす大切な時間です。
安心してお待ちいただけるよう、室内の待合スペース二箇所に加え、外の待合スペース、お散歩しながらお待ちいただけるスペースもご用意しております。

社会貢献事業

当院では野生動物救護、野犬野猫譲渡活動のサポートを通じてやんばるの世界自然遺産登録を応援しています。

院長|獣医師
田代 修Osamu Tashiro
2004年帯広畜産大学卒業
在学中は食欲中枢について研究
大学卒業後、沖縄県内で臨床獣医師として勤務
ひとこと:生き物全般に興味を持ち、家庭内で飼育される動物の診療はもちろん、野生動物救護活動にも取り組み、人と動物が共に幸せに暮らす手助けのできる動物病院作りを目指すに至りました。自宅では犬、猫、ハムスター、イグアナ、トカゲ、カメ、ヤモリ、ヘビたちと暮らしています。

所属学会:日本獣医麻酔外科学会、日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会、日本獣医皮膚科学会 、日本獣医エキゾチック動物学会、爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会

愛玩動物看護師 寺下 真凜(受付)
獣医療助手 瑞慶覧 有希

我那覇 祐菜
(アルバイト)

我那覇 祐菜(アルバイト)

トリマー 大城 亜由美
金城 理子
犬:ぽっくる(スタンダード・プードル)
猫:トト、オスカー(DSH)
兎:こけし(ライオンヘッド)
鳥:よもぎ(コザクラインコ)

を押すと写真を見ることができます
1F
2F

機器紹介

診察室

 
電子カルテ アーミックス
カルテの電子化により、情報管理の正確性が向上し、院内での情報共有もリアルタイムに行う事ができるため、時間の短縮と共に安全で質の高い医療の提供に貢献してくれています。
低床型 HUMAX EX-Z
診察時に、動物達が落ち着ける高さまで下がる電動昇降診察台です。
ニコン生物顕微鏡 E100
皮膚、被毛、糞便、尿、血液、腫瘤病変の細胞などを顕微鏡で見る事により、どのような病気が疑われるかを診断します。
トノベット手持眼圧計 TV01
小動物専用の手持眼圧計です。主に緑内障の診断やその経過観察のために使います。
プローブと呼ばれる眼に直接触れる部分は、個包装されたディスポーザブルタイプ。感染汚染の心配がありません。眼圧測定に点眼麻酔も不要なソフトタッチの眼圧計です。
動物用ポータブルスリットランプSL-17
眼球の表面部分(前眼部)の様子を見るためのランプです。帯状の光を目に当てて、眼球表面の構造をチェックするができます。
耳内視鏡(ビデオオトスコープ)アニマルックAL-3
耳内視鏡(ビデオオトスコープ)は耳道内の状態や鼓膜の状態をモニターに映し出しすことができます。明るく拡大された映像を見ながら鉗子を使っての異物除去や、カテーテル洗浄などの処置もできます。

検査室

動物用心電図自動解析装置D800
心臓の中の電気の流れを検査して、不整脈の種類や程度を評価する機器です。
全自動血球計数器 MEK-6550 セルタックα
血液中の赤血球、白血球、血小板の数、ヘモグロビンの濃度などを測定する検査機器です。
富士ドライケムNX500
富士フイルムの動物用臨床化学分析装置。微量検体で肝臓、腎臓の数値やタンパク量、血糖値など、体内の異常を示す血液の状態を迅速に調べることができます。
富士ドライケム IMMUNO AU10V
ホルモン濃度等を測定できる免疫反応測定装置です。
甲状腺ホルモン(T4、TSH)、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)に加え
肝臓機能検査(総胆汁酸)、猫の炎症マーカーであるSAAも測定できます。
富士ドライケム COAG2NV
血液の凝固異常を調べる検査機器です。
尿定性分析装置スターターキット RT-4010-thinks
イヌ・ネコ専用の尿化学分析装置です。ブドウ糖や蛋白質などの項目と同時に、腎不全の早期発見に有用なマーカーである尿中蛋白質・クレアチニン比(UPC)を簡便・迅速に測定することが可能です。
尿比重計
尿の比重を調べます。腎不全や糖尿病の診断に役立ちます。
Canon超音波画像診断装置Xario 200V Platinum
心臓の動きや血流をリアルタイムで評価したり、腹腔内臓器や眼球の構造などを観察する検査機器です。動物たちの体に痛みを与えることなく、診断に役立つ多くの情報を得ることができます。
Canon小動物専用X線診断装置
X線検査により、各臓器(肺、心臓、腹腔内臓器など)の形態的な異常や、関節・骨の異常をみつけることができます。被曝リスクを低減するため低線量のX線の照射で撮影できるように開発されています。
富士 DR CALNEO Smart V
デジタル処理のため、X線装置で撮影してから画像を確認するまでの時間は約0.6秒です。短時間で撮影ができるため、動物たちのストレスは軽減され、検査にかかる待ち時間も短縮されます。画像診断の検査結果は診察室のモニターでお見せする事ができます。
CanonマルチスライスCT「Aquilion Start 」
CTの画像は3Dで見れるレントゲン画像のようなものです。レントゲン検査ではつかめなかった詳細な情報を得ることで、より小さな病変の検出も可能となります。椎間板ヘルニア等の脊椎・椎間板疾患や複雑な骨折の位置関係評価、腫瘍の大きさや位置確認など、各種疾患の診断に加え、その後の手術計画を立てるために使用します。
入院・処置・手術準備室
マルチタスク超音波システム Varios VA970LUX 動物セット
スケーリング(歯石除去)のための機械です。
犬猫を始めとする、動物の歯周病は口臭の原因となるだけでなく、様々な病気の原因にもなります。この機械は歯周病の原因となる歯石を超音波振動で破砕することができます。
iProphy動物用セット
スケーリング後の歯を研磨し、表面をつるつるに磨き上げる機械です。
オサダサクセス40MV2
主に歯科、口腔外科で使用します。抜歯やウサギ等草食動物の不正咬合の歯科処置に用いられます。
超音波式、ジェット式ネブライザー
耳鼻科でよく使用される吸入治療の機械です。鼻炎、ケンネルコフ、喘息などの気道疾患に使用されます。
メニオス (ICU:集中治療入院室)
酸素、湿度、温度のコントロールができる入院室です。
酸素が必要な苦しい動物に対し、入院室内の酸素濃度を調整して酸素吸入を行います。
手術前後の動物や、循環器・呼吸器疾患等で状態が悪い動物のために使用します。
日本光電 デフィブリレータ TEC-5621
本装置は、心室細動または心室性頻拍を除去する除細動器です。除細動器として使用する他に生体モニターとしても使用します。
 

手術室

 
フクダ エム・イー 動物用生体情報モニタ
麻酔中の動物の体温、心電図、血圧、呼吸数といった基礎データに加え、麻酔や炭酸ガス濃度をモニタリングし、安全な手術をサポートします。
アコマ動物用麻酔器 Isepo
手術中の動物の麻酔と呼吸の管理を行う医療機器です。
この麻酔器には動物用人工呼吸器もついています。呼吸回数や深さなどの微調整ができるため、より動物に負担の軽い麻酔管理ができます。
ミリオンライトLED無影灯LA-404、LUVIS S-200 LED手術灯
手術中の術野を照らすLED照明です。熱を感じにくく、動物にも術者にも負担が少ない無影灯です。
ベアハガー ペーシェントウォーミング モデル775
手術中の動物は体温が低下しやすいため、体温維持用の保温器具として使用します。本体から発生した温風がホースを通ってブランケットに送り込まれます。まるで熊に抱擁されているように暖かい空気に包まれるやさしい保温装置です。
外科用X線Cアーム型TVシステムOPESCOPE ACTENO
様々な角度からX線透視画像を見ることができる、手術室用移動式X線装置です。主に整形外科手術、手術中の造影検査等で使用します。
Olympus 内視鏡 cv-260
内視鏡は、主に胃や腸など消化管の内部の観察に使用します。
異物が認められた場合には異物鉗子などで取り除くことも可能です。また、消化管内に異常が認められた場合には生検鉗子により組織生検を行います。
炭酸ガスレーザー手術装置(LESAC CO2-25)
炭酸ガスレーザーは組織の切開や止血、蒸散に使用する機械です。切開部位の微小な血管、リンパ管、神経をシールしながら切開するため、術中の出血・術後の腫れや痛みが少なく、優しい手術が可能となります。
組織切開の際にメスの代わりに使用する他、イボや小さな腫瘍を蒸散させる治療にも使用します。
動物用超音波手術器Sonocure(ソノキュア)
超音波で、肝臓や骨などの組織や腫瘍組織を乳化・吸引をするための機器です。乳化の際に血管や神経などの組織が傷つくことを避けられるため、動物へのダメージを最小限に抑えることが可能です。椎間板ヘルニア、肝臓腫瘍など繊細な操作が求められる疾患での手術をより安全に、低侵襲で行うことができます。
FORCE TRIAD/LigaSure(TM)(リガシュア)
電気メスと血管のシーリングデバイスの両方を使用することができる機械です。臓器の摘出手術時には、組織の切開や血管を切る必要がありますが、そこでの出血は最小限に抑えなければいけません。電気メスを使用することで切開時の出血を抑え、手術時間を短縮することができます。
LigaSureは直径7mmまでの血管をシーリングし止血する事が出来ます。血管からの止血を縫合糸で結紮するのでなく、シーリングで止めることで、手術時間を大幅に短縮することが出来ます。縫合糸に対する反応が強い犬種もお腹の中に残す糸を減らすことで手術の合併症を減らすことが出来ます。
SYNTHES社製 ColibriⅡ
整形外科手術で使用する電動ドリルです。骨に穴を開けたり、スクリューやピンを入れたり、骨をカットしたりするための外科用手術器具です。
ー骨折手術の主な方法
・ピンニング
ピンを挿入して、折れた骨を固定する方法です。
・スクリュー固定
スクリュー(ネジ)で折れた骨を固定する方法です。
・プレート固定
骨折した骨をプレート(スクリューの通る穴が開いた金属の板)とスクリューを使って固定させる方法です。
プレート固定には、プレートそのものが骨折部の血流を阻害することで治癒を阻害してしまい、癒合不全を起こすリスクがあります。
当院では、癒合不全のリスクを少しでも低減させるために、ロッキングプレート(Matrix、LCP)を導入しています。これらのプレートは、骨折部を強固に固定することができる上、治癒に影響する血流に障害を与えにくい特徴があります。1.5mmLCPは、超小型犬種(2kg以下)の骨折にも対応するプレートです。
PENTA-Nail System インターロッキングネイル
骨の中心には髄腔と呼ばれる骨髄が充填される空間があるのですが、そこに「髄内釘(ネイル)」と呼ばれるインプラントを入れて固定するのが髄内釘固定です。髄内釘固定は、特に大腿骨や上腕骨など髄腔が広い骨の骨幹骨折に対して用いられます。最小侵襲で設置可能で合併症率も非常に低い固定法です。
ー創外固定
創外固定とは、上記の四種類の固定法がインプラントによる固定であったのに対し、創外固定法は、皮膚を通して骨に挿入したピンを体の外で固定し骨折部を安定させる固定方法です。金属の器具が体外に露出するため、見た目は少し怖いですが、骨折治癒に最適な物理的・生物学的環境が得られるため、当院でも使用頻度の高い固定方法です。
脛骨高平部水平骨切術(TPLO)
脛骨高平部水平骨切術(TPLO)は前十字靭帯断裂の治療法の一つです。
膝の内部には4つの靭帯があり、その内の前十字靭帯は主に前方向にかかる力に対して関節を支える役割を持っています。イヌでは骨の形状がヒトと異なり、膝の前方向にかかる力が大きいため、前十字靭帯へ大きな負荷がかかり、断裂が起こりやすいと考えられています。
特殊なインプラントを用いて骨の形を矯正することで、膝にかかる前方向への力の向きを変え、前十字靭帯への負荷を小さくする手術がTPLOです。
この手術の利点は2つあります。
1つ目は術後の回復が早く、2-5日ほどで足を付けて歩けるようになります。ただし、骨自体が完全に癒合するまでに3ヶ月程度かかるので、それまでは過度な運動は避けるようにしてください。
2つ目は靭帯が断裂する前と同程度の機能回復が望めることです。痛めてしまった靭帯は手術後に元通りに治る可能性があり、関節の運動機能をなるべく損なわずに治療することが可能です。
術後の合併症としては関節可動域の減少、半月板の損傷、骨折、感染症、腫瘍形成などが報告されています。